- 「毒親から解放されるためには家を出るべき」が理想論に聞こえる人
- 親と関係を断ちたいのに、どうしてもできない人
- 家を出たい気持ちはあるのに、なぜか一緒に住み続けている人
- 親と絶縁したいのにうまくいかない理由を知りたい人
下記の記事では、一人暮らしをするときの不安とその解決策について、紹介しました。
でも、これを書いて思ったんですよね。そもそも毒家に囚われていて、洗脳状態にある毒親育ちが、自発的に支配者から離れるのは、相当難しいことだと。
「毒親から解放されるには物理的な距離をとるのが最善手」なのは間違いないんですが、それって理想論なのでは?と。
なので今回は、毒親との関係を続けている毒親育ちが、どうして家を出ようと思えないのか、どうして毒親との関わりが断てないのか、理由を書いていきたいと思います。
理由①:毒親からのマインドコントロール
「親が正しく、子が間違っている」という支配的洗脳
親がすべて正しく常識的であり、子供は間違っていて非常識である、という洗脳を、自我が芽生えることから延々と聞かされて育つと、自分で決めることに自信がなくなってしまいます。
「自分は何もできない」という無力感がどんどん積み重なっていき、最悪、決定するという行為がそもそも苦しいと思うようになってしまうこともあります。
親との関係性は自分が決める!とは思えなくなってしまうのです。
「お前なんてどうせできない」という過干渉洗脳
過干渉な毒親の元で「お前にはできない」「親が全部やってあげる」と言われて育つと、自己否定感が強く育ちます。
親に言われるがままに命令を遂行していくと、心のエネルギーが親に吸い取られ、「どうせ私にはできない」「俺がやったってしょうがない」と無気力になり、心の回復力も低くなります。
なので、「親と離れたい」という自分の気持ちを出す気力がなく、前に進めなくなってしまっているのです。
「親のために生きろ」という依存的洗脳
こんな風に、精神的に不安定な親の情緒面のサポートをさせられたり、家事、兄弟の世話、家族の介助をする子供を「ヤングケアラー」と言います。
この間「となりのトトロ」を見ましたが、誰よりも早く起きて家族の弁当を作り、夜まで親は仕事と病院で不在、5歳の妹と二人きりにさせられ、迷子になった妹を夜中駆け回って探す…
時代背景もありますが、そんなサツキはヤングケアラーのように見えました。
こういう立場の子供は「家族には私がいないと…」と思ってしまい、身を粉にして尽くし、自分の意思は後回しにし、やがて心が壊れてしまうこともあります。
「優しいときもあるし」というDV的洗脳
典型的DVですよね。アメとムチ。彼氏は暴力ふるうけど普段は優しい人なの、わかってあげられるのは私だけなの、ってDV受けてる女性がよく言う、アレですよね。
客観的にはめちゃくちゃわかりやすいですが、毒親は、「親の暴力暴言は、優しい言葉をかければ帳消しになる」、と本気で思っています。
そして、悲しいことに子供もそう思い込まされています。
こうやって、家から脱出しようとする気持ちをへし折られてしまうのです。共依存関係とも言えます。
理由②:世間の「親は大切にしないと」論
私は「子供を虐待した親は子供に捨てられて当然」と胸を張って言えます。
そしてこれを否定する人はほとんどいないと思います。
しかし、親の愛情を普通に受けて育った人には、目の前に普通に生きている人が、まさか親に酷いことをされて育ってきた、とは想像できません。
どんなに事情を話しても、こんなことを平気で言ってくる人は結構存在します。
ドラマ、ニュース、教師、先輩、その辺の人…どこを見ても「親は無償の愛情を与えてくれる存在」として描かれます。誰も、子供に酷いことをした親は子供に捨てられて当然、なんて教えてくれません。
理由③:毒親による精神疾患の発症
毒親による歪んだ支配によって、子供の身体、精神になんらかの異変が出てくるのは、当たり前です。
私も「抜毛症」という自傷行為に、今でも苦しめられています。この癖のせいで、中傷されたり、よく知らない人に注意されたり、人間関係で苦労もしました。
知り合いに、親からの溺愛、超過干渉のせいでうつ病、引きこもりになり、働けなくなった人もいます。
高校の友人は、親からのネグレクトのせいで解離性同一性障害となり、過食と拒食も繰り返していました。
どうやって親の呪縛から逃れるか?
精神的な解呪方法:自分は悪くないという認識を持つこと
「親から離れられない」という呪いを解く精神的な方法は、親でもなく、世間でもなく、自分の欲求を信じることです。
親が「お前には無理だ」といったから、教師が「親を大切にしろ」と言ったから、友人が「親御さんがかわいそう」と言ったから。
その人達は、あなたがこの先も親と共に過ごしてボロボロになった時、あなたの人生の責任を取ってくれますか?
ここ数年で、かなり「毒親」についての認識は広まってきました。良い時代になってきたなと思っています。
まずは「毒親との決別」を後押ししてくれるような本やメディアを利用して、自分を正当化することが、呪いを解くのに欠かせない方法です。
おすすめの本はこちら↓
物理的な解呪方法:経済力をつける
子供が自信をなくし、無力感を感じる最大の原因は、小さい頃から金銭的に手綱を握られていることにあります。
金銭的に制限することで子供を支配する、もしくは金銭を惜しみなく与えることで支配する、そうやって毒親育ちは、親なしでは生きられないことを刻み付けられています。
そういった金銭的呪いを跳ねのけるのは、自身の稼ぐ力です。
そのため、下記のような言葉には最も注意してほしいです。
私はこれを言われまくりました。「今すぐ逃げないなら、それほど酷くないんじゃないの?」と言われているようで、めちゃくちゃモヤモヤしました。
でも、学生でスキルの身についていないうちから、アルバイトして一人暮らしするのは、私はおすすめしません。
できるだけ学べるものは学び、とれる資格・学歴は取って、できるだけ親を利用してからの独立の方が、良いと思っています。
※今すぐ逃げるべき緊急度の高い虐待を除きます
「一人で生きていける」という精神的な自負と、金銭的な支柱がないと、毒家に出戻ってしまう率が高いからです。
夜の仕事も同じです。あれは一時的には高額を稼げますが、30代になると若さというアドバンテージを喪失します。金銭感覚は狂い、後に続くものがありません。
毒親育ちが呪いから解放され、自由になることを応援しています。
以上、お読みいただきありがとうございました!