前回は、絶縁を決意するまでの体験をご紹介しました。
今回は、絶縁から現在までをお話しいたします!
いざ、毒親と絶縁!
成人し、絶縁の意思がすっかり固まっていた私は、絶縁に必要なものを着実に準備しました。
それは、貯金と収入(経済力)です。
貯金は1人で暮らしていくための初期費用に必要です。
私は奨学金をもらいながら大学に行っており、学生時代にほぼ貯金ができなかったのですが、いつでも逃げ出せるように、できるだけ貯金はしておきましょう。
収入は、安定して1人で暮らしていくために必要です。親に頼らずに生活できるという精神的な安心をもらたしてくれるので、まずは定職に就くことを強くお勧めします。
私は社会人になって半年で40万円ほど貯め、引っ越しと家具家電を一通りそろえて、すっからかんになりました。
普通は親に頼ればそのくらい出してもらえるのでしょうが、全部自力でやるとなると結構かかるので注意してください。独立に貯金は必須です!!
以下が私が必要だった初期費用です。場所によって相場が違うとは思いますが、参考になれば嬉しいです。10年前なので、今はもっと高いかもしれません。
- 引っ越し代:3万円(単身パック)
- 敷金・礼金:15万円(合わせて3か月分)
- 家賃先払い:10万円(2か月分最初に払う)
- 家具家電(ベッド・カーテン・冷蔵庫・電子レンジ等):7万円
- 1か月後に収入が入るまでの生活費:5万円
合計:40万円
最初からかなりしっかりとそろえた方だと思います。こんなに最初からそろえなくても生活していくことはもちろん可能です。
敷金返金も、私は猫を連れていきたかったのでどうしても多めになってしまいましたが(ペット可物件は敷金返金が高め)、もっと低いところはいくらでもあります。
引っ越し代も、赤帽を使えばもっと安くあがると思いますが、とにかく素早く引っ越したかったので、引っ越し業者を利用しました。
お金が溜まっていないけれど今すぐ引っ越したい場合には、寮のある会社や、家具家電付きのマンションを探すのもよいと思います。
当たり前ですが、距離は離れれば離れるほど良いです。
昔の写真など、家のなかの自分の痕跡を消せるだけ決して、一切自分の物を残さずに、無事引っ越ししました。
すぐに分籍!
そして、引っ越したらすぐに分籍を実行しました。
分籍をしたところで法律的に縁が切れるわけではありません。
でも、ずっと家という牢獄に縛られていたので、親の籍から抜けることで精神的な自由を感じることができました。
これで毒親とは他人になった、これからは絶対に親と関わらない、という強い決意をもつことができました。
電話番号を変更し、毒親との連絡を経った
引っ越してから、親からの連絡は一切断つために、電話番号を変えました。
電話番号を変えると、友人に新しい電話番号を伝えなくてはならなかったり、会社や公的なものに登録している番号を変更しなければならなかったり、結構手間ではあるのですが、
親から一切連絡を断ちたい人にはぜひおすすめです。毒親側からの連絡をシャットアウトできます。
毒親の種類にもよると思いますが、住んでいるところに突撃する毒親、頻繁に電話をかけてくる毒親もいますので、住所と電話番号は知られないことがベストです。
そして、できればですが、親族もまるごと絶縁するのがおススメです。仲が良くて信頼できる人であればその必要もないのですが、どこから自分の近況・情報が漏れるかわかりませんからね・・・
絶縁するとすぐに自由になれるのか?
ただ一人暮らしして親と離れるだけでは、精神的に毒親から自由にはなれません。
自分が何をされてきたかを新に理解して直面すると、
「親への怒り」「自分がされたことへの悲しみ」に向き合わなくてはならなくなります。
これがめちゃくちゃ辛いんです。
※下記記事のステップ3に相当するところです。
一人暮らし後、しばらくは本当に開放的で、なんて幸せなんだろうと思いましたが、それもつかの間、
親への怒りに震え、自分には優しい親は2度と存在しないという事実に悲しみ(どうしてあんなことをされなきゃならなかったんだ)(あの時耐えていたら違ったのかな…)と、毎日毎日泣いていました。
毒親育ちが結婚するとどうなるか
毒親育ちのため、家族なんてくそくらえだと思っていましたが、育ちを理解してくれる心の広い夫と出会うことができ、結婚することになりました。
毒親のことを人に話すと、たいていは
「親と喧嘩してんの?大人になりなよ笑。俺も親と不仲な時あったけどさ~」と理解されないか、
「えっ可哀そう…気づいてあげられなくてごめん…(ドン引き)」と大げさに哀れまれるかどちらかでした。
しかし、今の夫が友人だった時、軽く親のことを話すと、そのどちらの反応でもなく、
「そんなことがあったんだね。それはつらかったね」とフラットに聞いてくれ、
と思ったのが、その後の結婚にまでつながったように思います。
毒親育ちが結婚するメリット
毒親育ちが結婚する最大のメリットは、なにかあったときの緊急連絡先が配偶者になるという点です。
私には、親以外に緊急連絡先欄に名前をかけるような付き合いの親戚がいなかったので、とても重要なことでした。
そしてさらに、名字を変更できるというのもさらに大きなポイントです。男性だって可能です。
私は毒親と同じ名字を捨てられて、感無量でした。
毒親育ちが結婚するデメリット
しかし、毒親育ちには二つの関門、両家挨拶と結婚式が立ちはだかります。
どっちも普通の人には人生の喜ばしいイベントですが、毒親育ちには人生の難所となります。
まずは相手の親へのあいさつですが、相手のご両親に、「親と仲が悪いなんて問題がある人なのでは」と思われることが最も怖かったです。
しかし隠すわけにもいかず、結婚相手のご両親には、「親と仲が悪く連絡を取っていない」ことを伝えたところ(実際は仲が悪いどころではないですけどね)、
そんなこともあるよね、と特にそれ以上聞かれることもなかったので、心の広い子供を育てる親は懐の広さが違うな…と、これから義両親と良い関係を築けそうで、ほっとできました。
無事に入籍もすませ、一安心したのも束の間、やはり結婚は一筋縄ではいきませんでした。
相手のご両親が、「やっぱりせめて一回くらい顔合わせをしたい」と言ってきたのです。
わかりますよ、そうですよね、大切な息子の結婚相手の親にご挨拶したい、それってとっても正常な気持ちだと思います。普通だと思います・・・・・・・・・・
絶縁以来数年ぶりに、親と面体するという苦行は、避けられませんでした。
いざ数年ぶりに会うと、吐き気はくるわ、震えがくるわで大変でしたが、相手の親の手前、平然としていなければいけません。
…私は顔合わせ中ずっと、真顔以外の顔を作ることができませんでした。態度ももちろん最悪です。
親は親で私に話しかけることもなく、とてもぎこちない時間が流れました。
一度だけ毒父が、何かの話の流れで「俺は定年前は次長だったんだぞ、お前は興味なかっただろうから知らないだろ」
となぜか私にふってきたので、(゚Д゚)ナニイッテンダコイツ…と固まってしまい、やっぱり空気が凍りました笑 子供に興味ないお前がいうのかと…笑
食事をし、これで終わってくれるかな、と思ったときに、最後の最後にやられました。
毒親が強引に、住所と夫の連絡先を聞き出したのです。
夫はもちろん断れるはずもなく、守っていた砦はあっさりと破られたのでした・・・
ちなみにですが、私の連絡先は聞かれませんでした。
子どもの連絡先を把握してないなんて、恥ずかしくて知られたくなかったのでしょうね。親としての程度は最低レベルですが、プライドだけはエベレストです。
※その数年後に引越ししたので、今の住所は知られていません
毒親育ちの結婚式は、2人だけで
両家挨拶というメンタルブレイクイベントを終えたあとは、結婚式というもう1つの関門が待っていました。
普通は親、呼びますよね、結婚式。
毒親に祝ってもらうなんて、吐き気、しますよね。
父親とバージンロード?そのまま協会の階段から突き落として殺してしまう自信しかありません。
これについては夫に理解があったおかげで、2人だけで結婚式をあげることになり、無事平和に幸せなイベントを経験することができました。
理解ある配偶者、プライスレス。
正直な話、やっぱり結婚式には親にも友人にも祝ってもらいたいものだよなぁと、夫にはちょっと罪悪感が残っています。というか少しだけ、「友人呼びたい…」ってごねられました。ごめんね。絶対無理。
それから
それからは、新しい家庭で平和に過ごしています。
一旦住所は知られてしまったものの、プライドが高く突撃してくるタイプの毒親ではないため、家に押し掛けられることはありませんでした。
電話はたまーに夫の方にかかってきていますが、すべてブロックしてくれています(ありがたや・・・)。
たまーに荷物が送られてきますが、受取拒否をしています(宅配の人に受け取り拒否しますと伝えれば送り返してもらえます)。
最後に毒親と会った日から数年経ちますが、絶縁してよかったと、心から思っています。
親と絶縁する最大のデメリットは、やはりいざというときに頼れる親族がいないという点ですが、新しい家庭を持ったことでそのデメリットもなくなりました。
子どもをもつことも、とても怖かったのですが、毒は連鎖することなく、毎日自分の子供が世界一可愛い、一生子供の味方でいたいと強く思いながら生活しています。
毒親体験談は今回で以上です。お読みいただきありがとうございました!