毒母についてはこちら↓
子供はどうしても、異性の親のほうを理想化しやすく、息子は毒母に、娘は毒父に気づきにくいと言われています。
私自身も父親の毒には、毒母と比べかなり遅くに気が付きました。
受動的ASDタイプ:家族の問題は知らんふりな毒父
このタイプは一見優しく穏やかで、ヒステリーな妻の言うこともはいはいと聞き、まわりから見ると「子供にも妻にも優しい良い夫」に見えます。
しかし、実際はまったくそうではありません。
自分の隣で、子供が毒母に暴言を吐かれていたり、理不尽な仕打ちをされていても、気配を消してテレビを見ていたり、すっとどこかへ去っていってしまいます。もしかして忍者なんですかね。
子供を守ってくれることは、ありません。
ここはさすがに助けてほしい!と父親を巻き込んだところで、自分の立場を守るために、妻の味方をします。
私の毒母はジャイアンタイプ、毒父はこのタイプでした。父親はずっと被害者だと思っていましたが、毒親から離れてやっと気づいたといった有様です。
私が殴られても部屋の物を全部捨てられても、味方になってくれることはありませんでした。
言葉にすると全くもっておかしい人間なのに、今ではなぜ気づかなかったのかと不思議でしょうがありません。
補足:受動型アスペルガー(ASD)とは
※アスペルガーの方=毒親というわけでは全くなく、こういうタイプの毒親にアスペルガー傾向の人が多いということです。
毒親体験談でも触れましたが、受動型アスペルガーとは以下の特徴があります。
・人と関わることは受け入れるが、自分から人に関わりにいかない。
・積極性はないが、誘われれば素直に従う。
・集団に入ると流されやすく、自分の気持ちが言えない。
・命令されると、良くない要求も受け入れてしまう。
・他人の気持ちがわからないため、大事な場面でずれた発言をしてしまう。
ただ、受動型アスペルガーは、ほかにもっと特徴的な、例えば人とコミュニケーションをとらない「孤立型アスペルガー」、空気が読めず変なことを言ってしまう「積極奇異型アスペルガー」と異なり、幼少期は割と育てやすく、成人しても普通に社会生活を送れてしまうため、周囲には気づかれない場合が多いです。
強烈なヒステリージャイアンタイプの毒母と、良くも悪くも相性が良いため、相乗効果でとんでもない家庭を生み出します。
ジャイアン毒母はとにかく理想を夫や子供に押し付ける
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ASD毒父は妻の気持ちに寄り添わない・自分の気持ちは発言せず妻に従う・子供の気持ちもわからないので、助け船を出すこともない
↓
ジャイアン毒母はますます孤立し、誰にも止めてもらえず暴走し続ける
という最悪のループにはまってしまいます。
奥さん視点ではありますが、受動型アスペルガーの解説はツナさんの「旦那さんはアスペルガー」という漫画が一番わかりやすいので、毒父や、友人知人がなんだか当てはまるな…と思う場合はぜひ一度読んでみてほしいです。
ジャイアンタイプ:家庭内恐怖政治毒父
毒母ジャイアンの毒父版です。
このタイプは、自分の意に沿わないと、妻を罵倒し、「なんでそんなこともできないんだ」「お前は本当に役立たずだ」と責めます。
罵声だけでなく、暴力をふるうパターンもあります。
子供から見ると先ほどとは逆で、母親が被害者のように見えてしまいます。
かわいそうな母親を守るために、子供は父親の機嫌をとり、父親の存在におびえて暮らす家庭になります。
そのため家庭内はいつも緊張しており、子供は父親の機嫌取りと母親の愚痴聞きに疲弊しきってしまいます。
一見すると毒父だけが悪いように見えますが、実は母親が父親を怒らせていたという場合もあり、また毒母は無意識にも子供を盾にしてかわいそうな自分を演じているため、両方が毒であるパターンが非常に多いと言えます。
下記の「あらいぴろよ」さんの毒父体験コミック「虐待父がようやく死んだ」に登場する毒父も、もれなくこのパターンの毒父です。
かなりリアルに、でも最後は希望を持った終わり方で、とてもおすすめできる本です。ネグレクト暴力毒父、実はおかしかった母親、そんな毒両親から解放されるまでのストーリーです。
ちょっとでも気になる方は、下記のレビューもぜひ読んでみてください!
カメレオンタイプ:妻と一心同体な毒父
このタイプの毒父は、なんでも妻と同調してしまいます。
普段仕事が多忙であまり家にいなく、そのため普段の家庭の様子も把握できておらず、子育てに関わっていないため意見もできず、妻と同じことを言っておこう、ぐらいにしか思っていない場合もあります。
化石は昭和に帰ってほしいですね。
この手の毒父は、全く頼りにならず子供からの信頼がなくなり、子供が成人するころにはすっかり疎遠になっている場合が多いです。
子供が大きくなってから、仲良くしようとすりよってくる毒父も見受けられますが、大事な時には味方になってくれなかったのにと、その頃には他人のおじさんよりも憎い存在になってしまっています。
また、この毒父に関わって育つと、自分の意見は聞き入れられない、自分は理由なく責められるという思い込みができてしまうこともあります。
巨人の星タイプ:昭和根性論で責め立てる毒父
このタイプは毒父と息子の関係性に主に見られます。
イメージは巨人の星の星一徹(星飛雄馬の父親)で、努力と根性でなんとなる、我慢が美徳、という元号2世代前の価値観をもつタイプです。
職業が教師や医者である場合も多く、あれこれ子供に干渉して、教育熱心に子供をしごく毒父もいます。
子供は毒父の威圧が怖く、小さいうちは必至で頑張ることが多いのですが、そのうち力尽きてしまい、やがて不登校、うつ病、ひきこもりになる場合があります。
もしくは、子供が大きくなり力もつくと、現代に合わない父親の思考に反発し、「根性がなっていない」という毒父と、「そんなの時代遅れだ」と反抗する息子の激しい喧嘩になる場合もあります。
名古屋で2016年8月に起きた、当時12歳の男児を父親が包丁で刺し殺す事件もまだ記憶に新しいですね。
ネグレクトタイプ:責任を放棄する毒父
最後は、ネグレクトタイプの毒父バージョンです。
こちらも昭和的な父親像と重なる部分があり、仕事最優先、家のことは妻任せ、家庭で何が起こっているか全く関知せず、といったスタンスです。
これはギャンブルなどにも逃避している場合も同じで、何か家庭内で問題が起きても、夫としても父親としても家族を支えることはありません。
仕事にかまけて存在感の薄い毒父になる場合もありますが、ギャンブルやアルコールに逃げて家族に暴力をふるう場合もあります。
そのどちらとも外面は良いという場合も多くみられます。
この毒父に育てられると、女性の場合、「父親から興味を持ってもらえなかった」というトラウマから、「自分は男性に興味を持ってもらえない」と思い込むこと、
もしくは「男性から興味を持ってもらうこと」に執着するようになることがあります。
まとめ
今回は、毒父の5つのパターンをご紹介しました。
①受動的ASDタイプ:家族の問題は知らんふりな毒父
②ジャイアンタイプ:家庭内恐怖政治毒父
③カメレオンタイプ:妻と一心同体な毒父
④巨人の星タイプ:昭和根性論で責め立てる毒父
⑤ネグレクトタイプ:責任を放棄する毒父
あなたの毒父はどのパターンに当てはまったでしょうか。
私の場合は、思いっきり全力でまぎれもなく①でした。
暴力をふるったりモラハラしたり、DVな父親以外にも、一見優しい父親だったり、教育熱心だったり、まわりから見てよい父親にも、毒父はひそんでいます。
毒母のタイプの記事と同様になりますが、毒父の特徴を知る目的は、親の毒に絶望するためではなく、父親を変えるためでもなく、私たち自身が精神的に解放されることです。
この記事で、敵の正体を把握できたら嬉しいです。
以上、お読みいただきありがとうございました!